軍事力の変化 2012 3 24

 かつて、軍事大国と言われるには、
工業力と経済力が必要でした。
つまり、軍事力は、先進国の特権だったのです。
 しかし、今や、時代が変わりつつあります。
安価な対戦車ミサイルで、高価な戦車が破壊できるように、
ミサイル時代に変わりつつあります。
 しかし、この変化に気づいていない人が多いのです。
かつて、日本海軍が、空母の時代となったのに、
巨大戦艦にこだわり続けて、あくまでも戦艦同士の戦いを追求しました。
 その結果、巨大戦艦から見れば、
蚊のようにも見えた空母の艦載機によって、海の藻屑と消えていきました。
 現代において、このような時代の変化に目敏く気づいているのは、
新興国や発展途上国かもしれません。
 戦車を生産できる国は、世界でも、わずかです。
なぜならば、戦車を作るには、工業力と経済力が必要だからです。
 しかしながら、工業力と経済力の結晶と言われる戦車も、
安価な対戦車ミサイルで、撃破できるようになってしまったのです。
 そのため、戦車には、歩兵が必要だと思います。
戦車は単独行動ではなく、歩兵とともに行動する必要があると思います。
 最近では、とてつもなく高価な空母ですら、
対艦弾道ミサイルで撃破できるようになってしまったのです。
 これを見て、新興国や発展途上国は、どう思うでしょうか。
「わが国の工業力や経済力では、とても戦車や空母を作ることができない。
しかし、ミサイルならば、なんとか、なりそうだ」
 一方で、戦車や艦船をもって軍事力とする国もあれば、
一方で、そういう兵器はあきらめて、
ひたすらミサイル開発に専念する国があります。
実に「非対称な」戦力です。
 ここで、こう思う人もいるでしょう。
「それならば、工業力と経済力で、ミサイル防衛システムを作ればよい」
 しかし、これは、現実的ではないと思います。
弾道ミサイルが2発か3発ぐらいならば、
ミサイル防衛システムで対応できますが、
そんな「上品な戦い」をするでしょうか。
 10発、いや20発同時に発射されたら、
ミサイル防衛システムでは対応できないでしょう。
 一番、現実的な対策は、
相手国がミサイル開発を始めたら、自分の国もミサイル開発をすることです。
 最近、北朝鮮が、弾道ミサイル、
いや「人工衛星」を打ち上げると聞いて、
また「ミサイル問題」を思い出してしまいました。
 ところで、この「人工衛星」は、何の用途でしょうか?
全く発表がありません。
気象衛星?、通信衛星?、天文衛星?。
それとも、放送衛星でしょうか。
北朝鮮の思想を宇宙空間にも流すのでしょうか。
 ところで、北朝鮮では、「人工衛星発射」と言っているそうですが、
日本では、衛星の場合は、「打ち上げ」と言い、
ミサイルの場合は、「発射」と言います。
つまり、言葉を厳密に使い分けているのです。
だから、日本人が「発射」と聞いて連想するものは、ミサイルです。


































































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